ブルー・ロマン・アイロニー



仕方がなく、わたしはふたたび先生に顔を向けた。



「でも、不摂生っていってもわたし、前まではそれで一人でやってきて……」

「一人じゃなくなったからでしょ」


さも当たり前のことを言うようにさらりと放たれた。

先生はさらに続ける。



「彼が来て、生活が変わったんでしょう。それに身体が慣れていたのに、いきなり前の生活に戻すなんて無茶……そりゃあ身体も壊すわよ」


それからひとしきりわたしに説教やアドバイスをした先生は、「職員会議があるから一度抜けるわね。終わったらあたしが車で家まで送るから、それまで大人しく寝てること」と釘を刺してから出ていこうとして、ふと思い出したようにこちらを振りかえった。



「そうそう。彼──あなたのアンドロイド。ここへあなたを運んできたとき、すごく心配していたわよ。それこそ、人間、みたいにね」


そう言い残して先生は今度こそ保健室を出ていった。