ブルー・ロマン・アイロニー



わたしとノアの話し声に気づいたらしい。

カーテンの向こうから保健の先生が顔をのぞかせた。



「起きたのね。体調はどう?」

「えっと……」

「あなた、かなり不摂生な生活を送ってそうじゃない。まともな食事を摂らなかったり、一睡もせずに学校に来たり。いまどき締め切り前の作家でももっとマシな生活送ってるわってくらいのやつ、かましたんでしょ」

「え、なんでそれを……」

「全部そこの彼から聞きました」


今この空間に彼と形容できる存在はノアしかいない。

そうなの?という意味も込めて視線を送ったけれど、ノアはふいと違うところを見やる。