ブルー・ロマン・アイロニー




前を通りかかったクラスメイトがちらりとわたしの顔を見て、それから二度見した。



「ちょ、藤白ちゃん顔色わるいよ。大丈夫?最近ずっとしんどそうだよね。」

「ほんとだ、いつもに増して青白いね……午後の体育は休みなよ。わたし体育委員だから先生に言っとくし、保健室いってきたら?」


たしかにちょっとだるいなとは思っていたけど、まさかここまで心配されるほどだとは。

わたしの顔、どんなことになっているんだろう。



「あはは、大丈夫。ちょっと寝不足なだけだから。体育もちゃんと参加するよ」


ありがとうとお礼を言うと、彼女たちは心配そうにしながらも教室を出ていった。

せめてもの糖分で、ともらった飴とチョコを手に、わたしはふたりを見送ってから笑顔をゆるめる。


言われて見れば、気付かないふりをしていた体の不調がどんどん浮き彫りになってきているようで。

ぼんやりと霞む頭をふるって無理やり活性化させようとする。


やっぱり、体調崩してるのかな……


でもここ数日、なにも変わった生活は送っていない。前までの生活に戻っただけだ。