「ちょうどいいから藤白、成瀬に学校案内してやれ」

「えっ」

「放課後、ちょっとでいいから。な?」

「……わかりました」


成瀬くんが隣に着席したとき、よろしくね、と小声で挨拶をしてみた。

がっつり無視された。

聞こえなかったのかな、と思ってもう一度よろしくね、と言ってみる。

やっぱり無視された。



「…………」

「“先が思いやられる”」


わたしの心の声を読み取ったかのように、ノアが愉しげにつぶやいたのだった。