なんだろう……気になるなぁ。


「美都、はいクレープ」

「あ!ありがとう!」


渡されたクレープを頬張る。


「ん〜!とっても美味しい!」

「ふふっ、それはよかったな」


ぽんぽんと優しく頭を撫でてくれる奏くん。


「あ、そうだ美都」

「ん?どうしたの?」

「……婚約してる男女が出れる大会みたいなのがあるらしいんだけど、出ないか?」

「へっ?」


それって、もしかしてさっき見えた看板のヤツかな?


きっとそうだよね!


「出てみたい……!」

「!本当か?」

「うん!」

「優勝したら、お揃いのくまのぬいぐるみにネックレスとかアクセサリーがもらえるらしいんだ」

「へぇー!そうなんだ!」


くまのぬいぐるみ……!欲しい……!!


「じゃあ行こうか」

「うん!」


差し出された大好きな奏くんの手。


私はまだ知らない、こうして握る奏くんの手が離れて行ってしまうことを。