私達はそこに向かうことにした。


「とっても楽しみだね!」

「ふふっ、そうだね」

「うんっ……!」


文化祭……うまく行ったら、奏くん褒めてくれるかなっ……?


「それにしても、メイドなんてあの会長が許したの?」

「へっ?あ、それはっ……驚かせるために、秘密にしてるんだ!」

「え、そうなんだ」

「うん!だから、遥希くん、誰にも言わないでね!」


奏くんのびっくりする顔が楽しみだし……!


「……ふふっ、そっかわかった。じゃあ約束ね?」


そう言った遥希くんは綺麗な小指を差し出した。



「……?」

「指切りしよう?」

「あ、うん!」


小指を絡めて、指切りをした時だった。



「……美都、様?」

「あ、れ……?さ、皐月さん……!?」


どうしてここに!って、ボディガードだからか……!!


「なにをされているのですか!?」

「あ、これは——」

「美都ちゃん行くよ」

「へっ?」


ぎゅっと手を優しく握られて、そのまま引かれて……私もどうにか走って行く。