か、可愛い……!

じゃなくて!


「ど、どうしたの?」

「美都、そのドレス着ていいよ」

「だ、だからっ……」

「美都が着ると、可愛くなっちゃうから嫌だった」

「へっ?」


ま、またまた奏くんは……。


「そんなことないし、私は本当に奏くんが選んでくれたもので——」

「その服がいいと思う」

「えええっ……!?」


ほ、本当に思ってるのかなぁ?


今お顔見えないし、わからないな……。


「美都が可愛くなってモテて俺嫉妬しちゃうから。それでもいいなら着れば?」

「大袈裟だよ……!」


でも、もしこの服を私が着るせいで不安ができるなら、着たくなんてない。


「じゃあ、私は奏くんにモテたいから奏くんの前だけで着るね?」

「……!うん」


視線が交わって、あからさまに幼い少年のような嬉しそうな笑顔を浮かべた奏くんに、胸が高鳴る。


ほんっっと心臓に悪いよぉ……。