時刻は夜10時半。

今美都は勉強をしているところで、俺はそれを拝んでいるところだった。


だが正直……。


ものすごく、眠い。



ここ最近は生徒会の仕事や家の手伝いと仕事がいつにも増して忙しかった。


その上美都と一緒に寝ることも増えたから、可愛い寝顔を見ていたい気持ちと理性に耐えようとする気力などで睡眠時間も大幅に削れていた。


「……奏くん?」

「……」


なんか、もう目の前も見えねぇし……美都の声、したの気のせいか……?


目の前が真っ暗になって、そっと何か頭に柔らかい包まれる感覚が走った。


「おやすみ、奏くん」


綺麗な声が頭に響いて——完全に意識が途切れた。


***


「……ん……」


もう、朝か……?


時計を見ると時刻は午後11時55分とまだまだ夜中だった。


にしてもこの柔らかい感触……。


見上げると、そこには美都の綺麗な顔があった。


「美都……?」

「あ、奏くん起きたんだね!」