次の日。

奏くんもご機嫌を取り戻して、いつも通りの日々がやってきた。

ただ一つ、前までと違うのは———


「美都」


にっこりと微笑んで手を差し出してくれる奏くん。

その綺麗な手に、自分の手を重ねた。


……恋人、になったんだ。


両思いだなんて信じられないけれど……恋人になれて、とっても嬉しい。


付き合い始めて初の学園。

きっといつもと変わらないことぐらいわかってるのに……なんだか、新しいことが始まる予感がして、ワクワクする。



車に二人で乗って、会話を始める。


「そういえば、今度パーティーがあるんだ」

「そうなんだ!」


御曹司というか、世界的お金持ちが集まるって言う……。


「美都も来るよな?」

「えっ?私なんかが行っていいの?」

「もちろんだ、美都の家だって十分立派だし、何より俺のお嫁さんだろ」


にっこりはにかみ笑いをしてくれた奏くんにきゅんっと胸が高鳴った。


本当、カッコいいのに可愛いとかずるいよ奏くん……!!