力なく、奏くんに閉じ込められてしまったわけだ。


「お願い奏くん……!」


一人でお部屋にいることなんて、簡単にできる。

だけど、奏くんなんだか遥希くんにとんでもないことをしてしまいそうで、心配で心配でっ……。


「時間が経てば身体軽くなってくるからな、じゃあ行ってくる」

「待って……!お願いっ……」


声は届かず……。


ひとまず私は、重い身体が治るまでソファで大人しくしていることにした。


……スマホも、奏くんに取られちゃってるし……。


本当、どうしたらいいんだろう。

きっと、大人しくしていればいいって奏くんは言うのだろうけど……そう言うわけにもいかないし。


コツコツ……。


廊下を歩くような足音…………!?


誰か、いるんだ……!


あの奏くんが外から簡単に開けられる仕組みなんてしないとは思うけれど……もしかしたら、出れるかもしれない。


「助け……」


あれ……視界がぼやけて……。


プツリと意識が切れてしまった。