学園でも、ファンクラブができるぐらいの美貌と優しい性格をしていて僕とはほど遠く離れている人だと思っていた。


「私も一緒に予習していいかな?」

「あ、うん……」


もしかして、僕の権力欲しさに近づいてきてるのかな?


花宮財閥も立派な家と言えど、僕の家の方が上だし……。


「算数……じゃなくて数学、難しいよね」

「うん……」


僕も数学は苦手だ。


「あ、あのそれで……日向くん」

「?どうしたの?」


なんか照れてる?


「私と、お友達になってくれないかな?」

「え?」


こんな、俺と……?


いやでも……やっぱり、権力が欲しくて……?


「私ね、日向くんともっと仲良くなりたいんだ」


にこっと純粋な笑みを向けられた。


今まで……踏み台にされてきて、人の裏を知っているからこそわかる……。


この子は、驚くほど……ひどく優しく微笑んだ。


こんな優しい笑い方、されたことない……。