【side 奏】


放課後、美都のいる教室まで行った。


だけど、美都に逃げられてしまった。


美都、きっとなにか勘違いしてるんじゃないか……?


俺は美都以外に求めるものはない。

美都が、俺を闇の奥底から救い出してくれたようなものなのに……美都がいなくなったら、俺はどうすればいいんだ。


いや、もちろん美都を離すつもりはない。


だが……美都に嫌われたりでもしたら、耐えられる自信がない。


昔から美都は自己肯定感というものがまるでなかったからな……きっと、またなにか勘違いして自信を無くしているんだろう。



「……奏」

「……」


またコイツか……。


「おい……誰が勝手に名前呼びしていいと言った」

「えっ?あ、ご、ごめんなさい……それで、やっぱり考え直してくれないかな?」


考え直す……?本当、コイツ何様なんだよ。


「いい加減にしないと、美波を潰すぞ」

「っ……!なんで、そんなに花宮さんがいいの!?」