꙳☄︎




道端に人が落ちていた。




そんな唐突すぎる一言から始まる物語があってもいいと思う。


……なんて思っていたあの時のわたしは、たぶん、深夜テンションで頭がおかしくなっていたんだと思う。




「……ひと、おちてる」




この時のわたしは、本当に頭がぱっぱらぱーな状態だったので、単に人が地べたに落ちている、ということしか脳が認識してくれなかった。


別段、お酒を飲んでいたわけでもないし、アブナイ薬を飲んだとかでもない。


ただ、ちょっとしたことがあっただけ。




「……えー、もしもーし。いきてます?それともしんでますか?もしくはぞんび?あ、ゆうれいって線もあるか」




まるで産まれて間もない子供が、初めて見るアリをいじめているかのように、つんつんと脇腹をつつく。



……何度も言うようですが、この時のわたし、頭がちょっとおバカでお花畑だったことを念頭に置いていてほしい。