ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

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 その後、わたしと両想いになれて自信がついたという新は少しずつ倒れる回数が減っていった。

 ループをしたのが夢だったんじゃないかと思うほど、通常の日々が続いていく。


 でも、わたしの手にはあのループは確かにあったんだという証拠がある。

 アプリは消えてしまったけれど、新が録音した音声は残っていたから。


 新は消せって言いそうだから、これはわたしだけの秘密。

 だって、今はわたしの記憶とこの音声だけになってしまったループ中の彼らも、大切なわたしの彼氏だから。


 だから、あの繰り返したひと時は確かにあったんだという証拠にこの音声は保存しておく。


 あの、夕日色に染まった白い部屋の出来事は……わたしの秘密の宝物――。


END