ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

「前の俺、あとは何してた? ここにキスしただけ?」

「え?……えっと……ちょっと足撫でてたかな?」

 表情は少し柔らかくなったけれど、真剣な様子の眼差しがちょっと怖くて……。
 嘘をついたら怒られそうな気がして、わたしは馬鹿正直に答えた。

「……こんなふうに?」

「え? あっちょっ!」

 実践で確かめるようにふくらはぎの内側を撫でられる。

「んっ……新ぁ……それ、だめ……っ」

 ゾワゾワと、甘い熱が駆け上がってくる。

 柔らかい部分に触れているのが新だと思うと、鼓動も急速に早くなる。


「……やべっ……ホント可愛い……」

 足から離れた手が、今度はわたしの顔の横についた。

 見下ろしてくる新の目には、ほのかな欲が見て取れる。

 その熱量に、あてられた気がした。


「あとは……押し倒したんだっけ? キスはしてないって言ってたけど……」

 そう呟くと、新はわたしに覆いかぶさってくる。

 唇同士がくっつきそうなくらい近づいて……吐息がかかったと思ったらそれる。

 新の頭がわたしの顔の横に来て、彼の呼吸音が直接聞こえた。


 ひとつ前の新と同じ行動に、ほんの少し前に見た悲しそうな笑顔が蘇る。

 あの新と、今の新が重なった。


 一つ一つ、上書きするようにわたしに触れてくる新は嫉妬しているだけなのかもしれない。