ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

 今のをおまじないだと言い張る新は、そのままわたしの足を撫で始める。

「あ、新⁉」
「ん? これもおまじない。撫でるとなんかよくなりそうな気がするだろ?」
「え? そう、だっけ?」

 そう、だったかな?

 何だか丸め込まれている気がする。

 新に触れられてドキドキしつつも、拒むことが出来なくてそのままにしていると彼の手がふくらはぎの内側を優しく撫でた。

「んっ」

 その瞬間、何かがゾクゾクと駆け上がってくるような感覚がして変な声が出そうになる。

 それでも新の手は止まらなくて……。

 というか、段々狙って内側の弱い部分を撫でている気がする。


「あっ……んっ……あの、新?」

 息が上がって来て、変な感じになってしまう。

 流石にもう離して欲しくて名前を呼ぶと、少し熱のこもった焦げ茶色の目と合った。

「……ほのか……色っぽい顔してる」
「え?」

 やっと足を離してくれた新は、視線を逸らさないまま立ち上がって今度は顔を近づけてくる。

「ヤバイ、ほのか可愛い……」
「あ、らた……?」

 新の片手が頬に触れる。
 優しく固定された顔に、新が近づく。


 これって……キス?

 そう思った直後、やけに大きな音でポン、と通知の音が響いた。


「……」
「……」

 新の動きも止まり、沈黙が流れる。