ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

 恥ずかしくて顔を隠すようにうつむいたわたしは、『やっぱいい』と言われたけれどその質問に答えた。

「……その……カッコイイって、思ってるよ?」

「え?」

「貧血でよく倒れちゃうから弱そうだって言われてるけど、新が体鍛えてるの知ってるし……顔だってイケメンだと思うし……」

「……」

「……新?」

 黙ってしまった新に、不安になる。
 わたしの言葉をどんな思いで聞いてくれているのか。

 不安だったから、恥ずかしくてちょっと怖かったけれど視線だけを上げて彼の表情を見ようとした。

 少し驚いたように丸くした目。
 それが切なそうに細められたかと思ったら、次の瞬間には新の顔が見えなくなった。

 代わりに、力強い腕に閉じ込められる。


「っ⁉ あ、新⁉」

 硬い腕。
 広い胸。
 わたしの体がすっぽりと収まるように、抱きしめられていた。

 新の爽やかな香りが直接入り込んで、胸いっぱいに広がる。

 呼吸音もハッキリ聞こえる距離に、わたしの心臓はうるさいくらい鳴り響いた。


「……ごめん。ほのかが可愛くて……こうしたくなった」

「っ! っ!……新っ⁉」

 甘い言葉に、わたしはなんて返せばいいのかも分からなくて……結局彼の名前を呼ぶことしか出来ない。

 そのまま甘い雰囲気に浸りそうになったとき――。