ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜


「何? どうしたの?」

「ほのかのスマホ、貸して」

「え?」

「一々説明するの大変だろ? 次は俺がすぐに理解出来るように録音しとくから」

「録音?」

 聞き返して、どうして録音なのか理由を聞く。


「俺の声で、自分が録音した覚えのない音声聞けば信じやすいだろ?」

「確かに」

「あ、でもほのかは絶対聞くなよ?」

「え? まあ、説明が楽になると助かるからそれくらい言うこと聞くけど……でもそれならわたしのじゃなくて新のスマホに録音すればいいんじゃない?」

 聞かれたくないならその方がいいと思う。

「まあ、一応俺のスマホにも録音しとくけど……消えてる可能性もあるだろ? 俺はループしてないんだから」

「……それもそっか」

 もし新のスマホに残っていたら、わたしの方は消せばいいんだしね。

 そう思って録音のアプリを開いてスマホを渡した。


 聞かないように離れて待ちながら、良かったと思う。

 終わりが見えて不安が軽くなった。
 それに、説明が面倒ではあるけれどあと五回分新と二人きりでいられる。

 安心した分、それがちょっと嬉しかった。


「はい。じゃあ次からはまずループしてること言って、これ聞かせろよ。多分すぐ信じるから」
「そう? 良かった。ありがとう」

 スマホを返してもらって、わたしはそのままドアに向かう。