ホワイト・ターン・オレンジ〜夕日色の白い部屋で幼なじみと甘いひととき〜

 しばらくして、新が「それ」とわたしのスマホを指し示した。

「表示されてる数字が5/10ってことは、あと五回ループしたら終わりってことなんだよな? きっと」

「あ、うん。やっぱりそう思うよね⁉」

 わたしと同意見だったことに安堵する。
 万が一違うんじゃないかって言われたらせっかくの希望が無くなってしまうところだ。

 少なくとも終わりが見える。
 それは充分このループの恐怖を和らげてくれるものだった。


「ってことはさ、さっさと出たり入ったりしてそのカウンター進められないように、ある程度の時間俺たちを閉じ込めているんじゃないか?」

「ああ、確かにそうとも取れるね? でもこんな中途半端な閉じ込め方して……何がしたいんだろう?」

 首をひねるわたしに、新はポツリと呟く。

「……それか、何かをさせたいんだろうな……」

「させたい?」

 もっと詳しく聞きたいと思って言葉を繰り返したけれど、そのとき丁度スマホからポン、と通知の音が鳴った。

 前回も見た、“解錠しました”の文字。

 試しに新がドアを開けてみると、さっきとは違ってすんなり開いた。


「……開いたな」
「うん……とりあえず、早く出てカウンター進めようかな?」

 そう宣言して保健室から出ようとするわたし。

「あ、ちょっと待て」

 でも、新に止められてしまう。