その村城くんは今シャワーを浴びている。

 消火が終わったばかりの部屋で急いで荷物を取って来たとはいえ、汚れたり煙の臭いはどうしてもついてしまったから。

 疲れてるだろうけど、そのまま寝るわけにはいかないからね。


 食器を洗い終えた私は、空き部屋に行って敷いて置いた布団から乾燥機を取り出した。

 使っていなかった布団だからせめて乾燥機くらいはやっておかないと。


 ふかふかに暖かくなった布団を触って、これなら大丈夫かな? と頷く。

 ただでさえ不安だろうに、これで布団も寝心地悪いとなったら眠れないかも知れないもんね。


 私は乾燥機を片付けるとバスルームに向かった。

 流石にそろそろ上がっていると思うし。

 夜も遅いから、今日はもう寝た方がいいだろう。


 そう思って就寝のあいさつがてら様子を見に行った。


 脱衣所兼洗面所のドアは当然ながら閉まっている。
 でも中からドライヤーの音が聞こえた。

 やっぱりもう出てるよね。
 ドライヤーも使ってるならパジャマも着てるだろうし。
 

 そう思いながらも一応コンコンとドアをノックして声を掛ける。

「村城くん、開けるねー」

 でもドライヤーの音で聞こえないのか返事がない。

 少しだけドアを開けて彼が服を着ていることを確認してから、大きく開いた。