【短編】地味男が同居したら溺甘オオカミになりました。

 そうして小一時間ほどすると休憩に入り、ミネラルウォーターのペットボトルを飲みながら村城くんが近づいてきた。

「見学してみてどう? 飽きて来ない?」

「ううん、みんな凄いなぁって思って見てた」

 私の語彙力のない感想にも村城くんは優しく笑みを浮かべる。

「そうだね。ここにいるみんなが少しの緊張感と和やかな雰囲気を作ってくれているから、俺も程よい緊張感を持ってモデルをやれてるんだ」

 ホント、みんなに感謝だよ。
 と言って優しくも力強い笑みを浮かべる村城くんを見て、私は胸が熱くなってきた。

 イケメンでモデルをやってて、(おご)ってもおかしくないのに。
 ちゃんと周りに助けられてることを理解して、感謝してる。

 そういうのって、簡単そうに思えても中々出来ないことだから……。

 それがちゃんと出来てる村城くんが、とても素敵に見えた。


 トクン……。

 あ、あれ?

 優しく跳ねた心臓が、そのままトクトクと早くなっていく。


 今までもドキドキすることはあったけれど、今の鼓動はそれと似ているようでちょっと違う。

 だって……早まる心音と共に、村城くんが好きだって気持ちが溢れてきてるから……。


 ああ……そっか。
 私、いつの間にかこんなにも村城くんのことが好きになってたんだね。