チャドが名前を呼んだ瞬間、石は光を放ちだした。驚いたアイラはオリバーにしがみつく。
『なに?』
「オリバー、何を持っているの?」
「何って、ただの石だけど。……前にここで拾った……」
ポケットに入れておいた石を取り出して見せる。
手のひらに乗せた白く軽い石。それを見てチャドが目を見張った。
『グロリア……?』
「え?」
アイラもオリバーも、彼のつぶやきに目を見張る。
『オリバー、これって』
リーフェがオリバーの体に触れた途端、白い石はまるで力を得たかのように、更なる光を放つ。力が吸い取られる感覚に焦りながらアイラを見ると、彼女もまた苦しそうに顔をゆがめていた。
「アイラ、これって」
「うん。この石が私たちの力を吸いとっている」
周囲を覆うほど強い光があたりを包んだ。オリバーは眩しさに目を閉じる。
次に開けた時、あたりは暗闇だった。否、正確には、森が広がっていた。先ほどとの対比で、暗く見えただけだ。
「森……?」
戸惑うオリバーに、アイラが人差し指を立てる。
「しっ、これ、多分、この石が持っている記憶じゃないかな」
不可思議なものが見慣れているアイラは、順応が早い。互いに手をしっかり握ったまま、ふたりは目の前に広がる光景を、息をひそめて見つめた。
自分たちの目の前には見えない壁があり、そこを超えることはできなさそうだ。
宙に浮いているような状態で、森に囲まれた土地を、やや上の方から眺めているような状態だ。
突然、木々が揺れる。と思ったら、軽い身のこなしで、ひとりの女性が地面に降り立った。
『グロリア!』
チャドが壁にぶつかりながら叫ぶ。それが、眼下に見える幻のような光景の中にいる女性を指していることは、その様子を見ていればわかった──
『なに?』
「オリバー、何を持っているの?」
「何って、ただの石だけど。……前にここで拾った……」
ポケットに入れておいた石を取り出して見せる。
手のひらに乗せた白く軽い石。それを見てチャドが目を見張った。
『グロリア……?』
「え?」
アイラもオリバーも、彼のつぶやきに目を見張る。
『オリバー、これって』
リーフェがオリバーの体に触れた途端、白い石はまるで力を得たかのように、更なる光を放つ。力が吸い取られる感覚に焦りながらアイラを見ると、彼女もまた苦しそうに顔をゆがめていた。
「アイラ、これって」
「うん。この石が私たちの力を吸いとっている」
周囲を覆うほど強い光があたりを包んだ。オリバーは眩しさに目を閉じる。
次に開けた時、あたりは暗闇だった。否、正確には、森が広がっていた。先ほどとの対比で、暗く見えただけだ。
「森……?」
戸惑うオリバーに、アイラが人差し指を立てる。
「しっ、これ、多分、この石が持っている記憶じゃないかな」
不可思議なものが見慣れているアイラは、順応が早い。互いに手をしっかり握ったまま、ふたりは目の前に広がる光景を、息をひそめて見つめた。
自分たちの目の前には見えない壁があり、そこを超えることはできなさそうだ。
宙に浮いているような状態で、森に囲まれた土地を、やや上の方から眺めているような状態だ。
突然、木々が揺れる。と思ったら、軽い身のこなしで、ひとりの女性が地面に降り立った。
『グロリア!』
チャドが壁にぶつかりながら叫ぶ。それが、眼下に見える幻のような光景の中にいる女性を指していることは、その様子を見ていればわかった──



