「はぁっ」と2人ともため息を一回吐いて。
灯と祐美は言った。
「本っ当に、揺らがないわね。あんたの恋は」
「兵雅の事実が分かってから、中学のときもすぐに、諦めてたし」
……もう。なんで、毒吐くなぁ……?
なんて思いながら、
「……恋はしちゃダメだから。」
そう、私は言った。
「中学のとき、好きな人=イケメンと目が合って、あんなに気絶して倒れたくせに」
……うっ。それはねー。
「もう過去のことだし、忘れたいわけよ。祐美、灯」
「……忘れてないでしょ?!」
「うんうん。私も祐美に同意」
…灯も!?
なんか、コクコクと頷いているし!?
いや、忘れてたんですけど?!
本当に!
なんて反論して、私の信用を得ようとするけれど。
「え〜?絶対違う!」と言いながら、私を疑いの目で、祐美と灯、2人は見てたし、全然信用としていない顔だったのだ。
そう。私は……中学のときに気絶して倒れたけど。……好きな人(イケメン)…というか、推しを見て。
……けど、もう、気絶するのが嫌になったんだろう。
だからか、「もう、イケメンは懲り懲りだ。」と思い、イケメンに揺らがない耐性を知らぬ間に私は、獲得して行ったのだ。
そのイケメン、推しは、カッコよくて。笑った姿がとても貴重で。
私の中学の切ない初恋心をよく溶かして、癒してくれていた。
でも、名前は知らなかった。
「でさ……!その人が王政義數に似てないって話よ!!」
……まだ、その話、終わってなかったの!?
と言いながら、私は、ギョッと驚いたような目で見開く。
「終わってない。ない」と両腕をバツのマークにしながら、灯は言う。
「……えっ!?何それ!?」
なんて乗り気な祐美さん。
……乗っちゃったよ……。
また……と思いながら、灯に目を合わせると、ニヤアとニヤニヤ笑顔を作り、私を見ていた。
……やるのね。というか!!
「それは、灯が話すんじゃないの!?」
と訳を言ったら、「え〜。」と嫌な顔で私を見て来る。
そんなにいやなのか……?!と思い、
「……えっ、だって、灯が持ち出して来た話じゃん!!」
私は理由を言った。
「じゃあ、それに世界的人気モデルHINAも付け足しで」
灯がニヤアと笑う姿は覚えておくとしよう。
「はぁ〜〜〜灯って奴はぁ〜。」
「私もそれ聞きたい!!お願い!!灯!!」
祐美と灯、揃って、ぴえんの顔をしながら、私を見てくる。
そして、「おねが〜〜い!」と言いながら。
……負けだぁ〜〜!!
これにも弱いのか。私はぁ〜!
灯の圧にも弱いし、これにも弱いし。
弱点がありありじゃないか。
異世界だったら、下のモンスター、いや、モブモンスターに転生してそうだな。私は。
そして、呆れながら、私は祐美と灯に灯が文化祭で言ったこと、花奈さんのことについてを分かりやすいように話していた。
だって、灯が「分かりやすいようにねっ!」なんて、私が、「いいよ。」って言った矢先に付け足すし。
はぁ。親友2人に弱いとは…………私は自分を見直す価値アリかもしれない。
なんて思いながら、灯と祐美とでワイワイ、ぎゃあぎゃあ、恋バナ、私が会った王政義數の話を長い時間、言い続けていた。



