「嘘〜〜〜〜!!マジで!!マジ、母さん神!!GOD!!」
なんて『神』という言葉を日本語で言ったり、英語で言ったりしながら、灯のお母さんにしがみつきながら、泣いてたっけ。
それを私は、電話越しから聞こえてたけどね。
私が見てたら、少しだけ、気持ち悪い映像になっていたと思うけど。
と思いながら、ファーストフード店を出て、人が迷惑にならない端の道路で足を止まらせる。
そして、携帯のマップを開き、重い大きな鞄をもう一回背負う。
アプリを開くと、現在地のマップを見ると、目が回りそうというか目だけで迷いそうなぐらい、複雑な道だ。
どこだろう……?
……ん〜〜〜〜?
私は携帯を回しながら、考える。
きっと、携帯を回すと分かるだろうけど、私は分からない。
ん〜〜〜〜?と思い、私は眉間に皺を寄せていたら。
「ねえ。君。」
「はいっ?!」
私は携帯を見ながら眉間に寄せた皺を治し、呼ばれた方へと視界を向ける。
私を呼んでくれた人は黒い帽子を被り、文化祭の王政さんと同じように口に黒いマスクをしていて、背が高い。
王政さんと同じぐらいの身長だ。
……20cmぐらいかな?
…だけれど、ファッションがダサい。……が、それは、突っ込まないでおこう。
と思いながら、私を呼んだ人を見る。
「……それ。…214番道路を真っ直ぐ行って、2つ目の信号を曲がったら、着くよ」
「えっ?……あ、ありがとうございます!!」
「……ん」
「ではっ!」と言いながら、お辞儀し、214番道路を目指す。
その走っている背中の姿を見ていた道を教えてくれた人は、
「あの子……楓じゃん。……楓ちゃんって言った方が良いかな?」
優しく、爽やかな声でマスクを少しだけ外しながら、私の名前を言っていた。
それを知らない、
「はぁっ。はぁっ。……あったぁ!!」
満面の笑顔で灯の家を見た、私だった。