文化祭2日目の夜。

文化祭が終わり、1〜3年生、教師たちで打ち上げをやって、キャンプファイヤーや、学校の屋上から星を見上げていた。
そして、この文化祭は夜が見どころなのだが、私は怜さんとお家の手続きなどを話していた。

「どう致しますか?楓様?」

「えーとですね。今日の夜は王政さんのお家で寝させてもらって、早朝、家を出てって、灯のお家に私が居候させてもらいますので、引っ越しをします」

「分かりました」

「……今日は月が綺麗ですね?」
私は夜空を見上げて、怜さんに言う。

「それは、義數様に言ってあげてくださいませ」
「へっ?」

ど、どういうこと?!

「では……「ちょ、ちょっと待ってください!!」
「何ですか?」

ずっと、最初から心残りだった。

「私と義數様って……「昔からのご知り合いです。自分で思い出してみろや」

「はいっ。分かりました」
「フフッ」と笑いながら、怜さんを見た。

だって、最後、久しぶりの俺様になったのだから。
少しだけ笑っちゃうな。

「では」
お辞儀をして、王政さんのところに行ってしまう怜さん。


さっき、文化祭2日目の夜に見どころがあると言ったが、6時半から蛍の光がこの学園の周りから綺麗に見える。

蛍は5月下旬〜6月上旬の時期に見られるけど、ここの市は温度が9月でも高いので蛍が綺麗に見える。
蛍がまるで、狂い咲きになったかのように。

それで、願いを心の中で述べると叶うとか何やら。
……流れ星か!と思ったけど、叶った人、何十人かいたらしい。

私はぼーっと、綺麗な夜空をまた見上げていた。


「かーえーで!」
私の両方の肩を相手の手が叩き、
「はいっ!?」
と少しだけ変な声を出してしまう。

「……楓ーーー!!私と明日から住めるなんてーーー!!…うーーれーーしーーいーー!!」

「そんな大声で言わなくて良いよ」

「……というか、国民的俳優王政義數とどうしたのよ?!」

「えっ?!……あぁー…別れた。」

付き合ってもないけど。
とも言いながら、苦笑いする私。

「はいっ!?」
「いやだっt「いやいや。芸能界でも噂されてたよ!!」

「何で、知ってるのよ。」
すぐ、私は冷静に灯をツッコむ。

「……私はゴシップ網がすごいから」
「それで片すな!!」

「……全部、ニュースでっす!」
と言いながら、片手ピースをしながら、ウィンクをする灯。

びっくりマークじゃなくて、星マークが付きそうな言い方。
と思いながら、灯を少しだけ引きの目で見ていた。

「…灯、ありがとね」
「ううん。良いよ。この思い、私はしかと受け取ったから!!」

「うん。ありがとう。受け取らなくても良いんじゃ?」

「プフッ……「「アハハハハハハッ!!」」
なんて笑いながら、クラスの子たちがいるところへ行っていた。


あっ。褒美賞のことですが。

ぶっちぎりに私のクラスが1位でした。
あっ……怜さんにお礼言うの忘れてた。

どこで言おう?明日の早朝でいっか。
………けど、褒美賞。みんな誰と写真、撮りたかったんだろう?

私たちは学校、学園でお腹を満たし、蛍の光を待っていた。

「……まだかな?」

「まだだよ。」


「あっ!!来た!!」
と言う大声が屋上に聞こえる。


……うわぁ〜〜!!!綺麗!!

蛍の光は私たちがいる屋上の近くにいっぱいに蛍は飛んでいて、私たちの瞳が蛍の光がいっぱい映る。
夜空と蛍の光のタッグが今日はすごく良く、心の中がワクワクで満たされる。

夜空と蛍の光は良いけど。
1つ。1つだけ見てみたいのもあるな。


そう思いながら、蛍の光を見渡していた。
こういうとき、時間は短いと感じる。

すぐに時間は過ぎ、蛍の光=蛍は学校の遠くへと行っていた。