100万円の使い道は俺様魔王に握られました【1】



「可愛い。その変な声も唆る」

「はいっ?」

えっ?何?どういうこと?
私は頭の中が混乱しながら、私を呼んだ男の人を見る。

その男の人は、私に近づきながら、私が逃げられないように、両手を窓の下の壁を付ける。

この文化祭、最悪なことがある。
廊下が人で(ひし)めいているのだ。…だから、廊下の壁側に居れば、人の混雑はまぁ免れる。

それを男の人は分かっていたかのように、口角を上げる。


「あ、あの……?」
「何?なんか聞きたいの?」
「いや……あの…何で、私が捕まってるんですか?」
「えっ?何、捕まりたいから捕まったんじゃないの?」
「違います!!」

「へ〜そっか?俺、そういうコも好きだけど?」
そう言いながら、私が着ているメイド服のスカートを、男の人がいやらしい手で触る。
それを私は視界で捉えていたから、鳥肌が体中に立つ。

やばい。やばい男の人に捕まった。
ど、どうしよう……!!

「ねえ……人気が無いところで……気持ちイイコトしない?」

「し、しません」

「へ〜?じゃあ、無理やりやるから」

「へっ?!」
「いやだっつても助け求められないところ行こっか」

「えっ……?」

「行こうっ」
そう言いながら、私の腕を強く掴んで、廊下を歩こうとする。

この男の人……怖い。

私の携帯は……って無いんだった…!!
と思いながら、私は廊下から、自分のクラスの教室を見る。

やばい。どうしよう。

本当にどうしよう……!!!


「こういうコ初めて見た」
「……やめてくださいっ…」

「やめないから」



「お゛い゛」



……!?
私は声がした方へ視界を向ける。
男の人も声がした方へすぐ視界を向ける。


「……本物の王政義數…」
なんて口を少しだけ開けながら、王政さんを見ている私を連れ去ろうとしている男の人。


……何で?




「お前、何してくれた?」
と言いながら、私と男の人がいる方へ歩いて行く、王政さん。
その歩いて行く足が、床に足跡が付きそうなほどの踏み方だった。

その魔王様のドス黒いオーラで、文化祭に来ている人たちは廊下の端の壁の方に佇む。



何で?





何で?



何で、いるの?……魔王様?


「な、な、なんで……いるんだ「とりあえず、その子の腕を離せ」
キッと男の人の方へ睨みながら、男の人の言うことを遮る王政さん。

その睨みが怖すぎた。…口を慎むほどだ。


「お、俺は…このメイドちゃんと一緒にデートしようって約束してたんだ」
と男の人が言いながら、少しだけ焦りが見られる。

えっ!?……で、デート!?
と思いながら、ギョッとした目で私は男の人を見る。

それを見ていたのか、魔王様は口角を上げ、
「ほぉ〜?お前が俺専用のメイドとデート?」
と言っていた。

その魔王様の口角の上げ方がドス黒いオーラで。
私もブルブルと腕などが震えていた。

いや、ちょっと待て待て。


「おい。このメイドちゃんが国民的俳優専用のメイドぉ?!」
と大声で言う男の人。