100万円の使い道は俺様魔王に握られました【1】


……と言うか、なんで思い出してんだよ。
楓に会う前。

俺、教室に行けないじゃないか。

楓、どういうことだ?

ぐちゃぐちゃな気持ちで言っちゃったのか?
そんなことは……ないと思いたい。

俺さ、楓に救われたんだよ。
そんなこと、楓が廊下にいるとき言えば良かった?

本当に好きだよ?
なんて言えば良かった?

どう言えば良かったんだよ。

はぁっ〜〜〜〜。

壁にもたれて、床にしゃがみ込みながら、考えていたら。


「義數様」

……もしかして、楓が怜のマネをしたのか?
と少しだけ、楓ではないかと思いながら、頭をその声がした方へ向けると。


「あぁ。怜か」

怜だった。

「何ですか。その私じゃなければ良かったのにみたいな顔をして」
「……フラれた」

「はぁっ?」

「結婚破棄された」

「はぁっ?」

はぁって何回言うんだよ。
なんて、心の中で怜につっこんでいたら。

「楓様、あんなに楽しくしていましたのに……」
「……そうか」
「……というか、俺、夜までいるっつたから……」
「まぁ。灯様に事情を話しておきます。」
「何で、あいつを?」

灯ね。楓の親友。
それだけしか知らねえけど。

楓は?と言われたらいっぱい出て来る。
と言うのをやめておこう。怜の話を聞いておこう。

「では。」
と言って、廊下を歩きながら、楓の教室に向かって行ったのだろう。


……どう、よりを戻せば…。

楓、お前、どうしちまったんだよ。
幼馴染でもない、俺に聞かれてもダメか。

「どうしちまってもないですよ!」なんて笑顔で言い張りそうだが。

お前のその笑顔が。


切なすぎるんだよ。



俺は楓が好きだって、堂々と宣言してやりてえよ。


楓は、本当に馬鹿子犬なのかも。



なんて考えながら、この学校が俺的には久しぶりな感じだったので、文化祭の店を見ながら、探検しようと思い、しゃがませていた足を立ち上がらせる足にして、廊下を歩いていた。