……と言うか、なんで思い出してんだよ。
楓に会う前。
俺、教室に行けないじゃないか。
楓、どういうことだ?
ぐちゃぐちゃな気持ちで言っちゃったのか?
そんなことは……ないと思いたい。
俺さ、楓に救われたんだよ。
そんなこと、楓が廊下にいるとき言えば良かった?
本当に好きだよ?
なんて言えば良かった?
どう言えば良かったんだよ。
はぁっ〜〜〜〜。
壁にもたれて、床にしゃがみ込みながら、考えていたら。
「義數様」
……もしかして、楓が怜のマネをしたのか?
と少しだけ、楓ではないかと思いながら、頭をその声がした方へ向けると。
「あぁ。怜か」
怜だった。
「何ですか。その私じゃなければ良かったのにみたいな顔をして」
「……フラれた」
「はぁっ?」
「結婚破棄された」
「はぁっ?」
はぁって何回言うんだよ。
なんて、心の中で怜につっこんでいたら。
「楓様、あんなに楽しくしていましたのに……」
「……そうか」
「……というか、俺、夜までいるっつたから……」
「まぁ。灯様に事情を話しておきます。」
「何で、あいつを?」
灯ね。楓の親友。
それだけしか知らねえけど。
楓は?と言われたらいっぱい出て来る。
と言うのをやめておこう。怜の話を聞いておこう。
「では。」
と言って、廊下を歩きながら、楓の教室に向かって行ったのだろう。
……どう、よりを戻せば…。
楓、お前、どうしちまったんだよ。
幼馴染でもない、俺に聞かれてもダメか。
「どうしちまってもないですよ!」なんて笑顔で言い張りそうだが。
お前のその笑顔が。
切なすぎるんだよ。
俺は楓が好きだって、堂々と宣言してやりてえよ。
楓は、本当に馬鹿子犬なのかも。
なんて考えながら、この学校が俺的には久しぶりな感じだったので、文化祭の店を見ながら、探検しようと思い、しゃがませていた足を立ち上がらせる足にして、廊下を歩いていた。



