「ねえっ。君、秋風楓ちゃんって知ってる?」


そんな声が教室の外で聞こえる。

ニコッと営業スマイルで言ってそうな声。
と頭の中で想像している私。


私はまだ、声を出さないように、
口をずっと手で抑えながら、目を瞑っていた。


だけど、きっと祐美じゃなかったら……絶対。




「はいっ。いま…「せんよ?」


祐美のクラスメイトの女の子がきっと瞳がハートマークになりながら、
言おうとしたところ。

祐美が言葉、声で遮った。



「あっ。そっか。ありがとう……じゃっ。」

手を振りながら、立ち去ろうとする魔王様の声。



行った……?


私が隠れてる場所=教壇は、お化け屋敷を行なっている、後ろのところにあるので、行ったという確証を得るまで、まだ確証を得ていなかった。



私は布を掻き上げて、私は教室の廊下を行こうとしたら。




「いた。馬鹿子犬」


バレてたみたいで。


「へっ!?」

行った、去った、と思ったのに。

なんで……いるの?

なんて、思いながら、私は変な声を出し、後ろを振り向いていた。