「ねえっ……!!もしかして、またあそこのカフェに!!」

「やばいでしょ……!!1–D!!!」


ん?今、1−Dって?

HINA?
私は相変わらず、良くないときに耳が悪いと、思った。





「ここねーーー!!!?」




大声で言う、今はまだ、私は分かっていない女の人。



「えっ!?HINAが目の前に!?!!」


写真をパシャパシャと撮る音や、騒ぐ音が私やクラスのみんなの耳にも、だんだん、聞こえて来る。


「……HINA?」


私はパッと振り向くと。




「あっ………花奈さん。」


つい言葉に出してしまった声は。




「……久しぶり!!楓さん!!」



花奈さん=大声を出した張本人に聞こえてしまっていて。


だって。私の目の前にいたんだから。


まぁ。届きますよね。
……というか、来ちゃった感、満載の顔やオーラ。

花奈さん、楽しそっ。


と私は思っていたら。



花奈さんが私の目の前に、来た。

そして、私の耳元で囁く。




「義數のこと、まだ、許してないから」



っ……!!

私は、花奈さんの顔を見ると。
また、ニコッと笑って、すぐに出て行った。

早いお帰り。
と心の中で思っていたら。


花奈さんと目が合って。
キッとまた睨まれていた。





……何だったんだろうと思ったけど。


……なぜか、胸に微妙な違和感が微かに残っていた。




「ねえっ……楓さんとどういう知り合いなんだろう?」
休みに行っていたクラスの女の子たちが帰って来て、噂を小声で話していた。


だけど、それが聞き取れたのは一瞬で。

灯が、私のところに、忍者のように早歩きで来て。


「ねえっ…!!楓。…昼休憩のとき、聞かせて。」


と拝みながら、私の耳に小声で話していた。







《昼休憩を挟みます。みなさん、休みましょう》





その声が聞こえて。


どっと、疲れが私の体に響いていた。