前にも言ったように、2日目の文化祭は、音楽(フェス)やお化け屋敷、恋愛ゲームなどを中心。……もちろん、1日目と同じように、食べ物も売っている。
まぁ。だけど、学園側は、お化け屋敷や劇に行って欲しいらしいッすけど。
これ。
やばくないっすか?
私はそう思いながら、教室の外を見ると。
昨日と同じように、また、隣の教室まで並んでいた。
「いらっしゃいませ。お嬢様」
私のクラスの男子が、執事に扮しながらも。
女性のハート(胸や心臓)を射止めていた。
本当にすごっ。
と思っていたら。
次々来店客が増えて来たので、私もメイドに扮し、対応をしていた。
「……いらっしゃいませ。ご主人様っ!」
私はお辞儀をして、男の子2人を席に案内する。
その男の子というか、男の人が。
耳にイヤーカフを付けて。
ズボンにジャラジャラと鳴るアクセサリーを付けながら、
私を見ていた。
しかし、髪の色は黒で。
少しだけ、私は何故か、チャラい人ではなさそうと思っていた。
だけど、疑問感を抱いた。
なんか。漫画の展開じゃない……?と。
チャラい人が私をナンパしたり……なんて、無いか。
私が妄想を膨らましていたところ。
「すいませーん!」
なんて、注文したい人の声が私のクラスの教室に響いて。
その声は、チャラい人で。
まぁいいや。
というか、対応しなきゃ。
「はいっ!今、行きます!」
私は教室を少しだけ早歩きして、注文をしたい人のところへ行く。
「注文お決まりでしょうか?」
「うん。えーと。……フレンチトーストを2つください」
メニューを見ながら、言う、お客さん。
もう1人のお客さんはメニューの写真を「美味しそ〜う!」と言いながら、少しだけ、涎を垂らしながら、見ていて。
「……分かりました。待っていてくださいっ!張り切りますのでっ!」
私は無意識で、メイドさんみたいに笑って、調理場に行く。
その笑顔を見た人は。
「……可愛い!?」
「今っ!見たかっ!?」
なんて、男の人は騒いだりしていた。
「えーと。フレが2の、ちょこっと苺パフェ1」
私は他のお客さんにも承っていたので、注文の文字を見ながら、調理係の人たちに言う。
「はーい。分かった。」
と調理係の女の子は言って。
「フレ2のちょこっと苺1でーす!」
と大声で調理係全員に聞こえるようにしていた。
灯は……?
と思いますが、灯は今、レジの係に行っていて。
その灯がレジの清算が早くて、今、すごく助かっている。
少しだけ時間が経った後。
お客さんも少しだけ、だけど、減りはじめていた。
だけど。もうすぐ、お客さんが入る、執事・メイドカフェはすぐ増え始める。
「……ねえっねえっ!!やばい!!!HINAがいる!!」
「嘘っ!?本物!?」
「綺麗すぎでしょ!!!」
なんて、昨日の魔王様が来たときと同じように、騒ぎ始めて。
お客さんが廊下の方に視界を向けていた。
……なんだろう?とも思ったけど。
私は、注文を承るのが大変で、すぐそのことは忘れていた。
「ここ、ねー……?あの、私から奪い取った、あの女が。」
と片方の手で拳を作りながら、誰にも聞こえない声で言った女は。
もうすぐ、秋風楓のところにあらわる。