「メイド喫茶、どうですかー!」
「お化け屋敷やってますよーー!!」
「演劇、第一体育館で上映開始でーす!!」
「ラーメン、屋台出ておりまーす!!」
なんて、大声でお客さんに、声を掛ける、私と同じ、同学年の人たち。
中学校は、中学校で盛り上がっていて。
中学校は恋愛ゲーム『君と君の愛称バッチシ?〜成功?失敗?〜』みたいなのが今、人気らしい。
………って、題名、ダッサっ!と思うけど。
人気ってすごいなぁ〜。と思いながら、中学校の建物を私は窓の外から見ていた。
「ねえー。なんで、こんなガラ空きなのー?」
窓から風が入ってきて。
その風が机の上にあるシートを揺らぐ。
そして、口を拭く、ナプキンなどが。
すごいっ……漫画で見るような絵面。
なんて、私は口を少しだけ開けながら、思ったりしていた。
「本当ー。ねえ!秋風さん!!宣伝も兼ねて、休憩入ってきて、いいよ!!」
と私をキラキラな瞳で見ながら、言う、クラスの女の子。
「わ、分かりました……!」
私は看板をぶら下げながら、教室を出る。
私は人に流されやすいのだろうか。
と思いながら、クラスの看板を首にかけながら、トボトボと歩く。
あっ……そうだ。
宣伝。
「あのー!メイド喫茶やってまーす!!すごく美味しいメニュー揃ってまーす!!」
と大声を出しながら、言うと。
文化祭のお客さんたちが、バッと、大きく首を振って、私の方面に振り向いて。
「えっ……!?どこだろう!!」
「どこですかー!!」
「綺麗な人……!!」
などと、ざわざわし始めた。
やった!!作戦大成功!
と心の中でガッツポーズをする。
「1ーDの教室でーす!!よかったら、行ってみてくださーい!!」
私は全体を見渡しながら、大声で叫ぶ。
そして、私のクラスの店が歴代最長の超長い行列になるのをまだ、知りもしてなかった。
ふ〜〜っ。
……ちと休憩。
私は階段の端っこで座る。
その階段の場所は人ごみは少ないので、一番落ち着く。
すぐ座ってだけど。
……水、自販機で買ってこよ。
と思い、立って、自販機を目指そうとしたとき。
「久しぶり」
私の腕を掴んだ、男の人は。
久しぶりに聞く。
聞き覚えのある男の声だった。