「おい。楓がメイドってどういうことだよ」



なんて魔王様の不機嫌声が聞こえるのは、何時間後。









「では行って参ります。」

私はお辞儀をして、扉を開ける。


魔王様と怜さんの家で住むのも慣れてきた。

けど、9月から魔王様が、私に「おやすみ」って甘々な声で言ってきたんだよね……。


どういう切替えの仕方!!?
と思ったけど、そんなこと気づいている暇あったらすぐに走ってでも向かいなさーい!!


私!!!


そうなのです。
少しだけ遅れました。

どうか文化祭始まりますっ!の鉄砲がなる前に着いてーーー!!





私は走って、学校の上履きを取って、廊下を走る。



「走るなー!」
とも先生に言われたけど。

「そんなこと気にしてる暇あるかー!!」
って返しておいた。



階段を上って。
ガラガラっと音を鳴らしながら、自分の教室の扉を開けると。

みんなが円陣を組んでいた。


もう……そこまで行っていたんだ……!!
はぁ。はぁ。と私は息を整えようとする。



「遅ーい!秋風さん!!」


「追加で、塔堂さんもメイドになったー!!」


なんて楽しそうな顔で、クラスのみんなは、私を見ていて。


私も気分が高まって、高まって、しょうがない。



………早くやりたい!!


片方の手を拳にして、自分の拳を握りしめる。



「私も着替える!!」

笑顔で、ワクワクした顔で、私は更衣室で着替えてくる。
そして、メイド服に着替え、私も円陣の組みに加わる。



「1−D。……ファイトぉーーー!!」


女の子が足を前に踏み出して。



私たちも。

笑顔になりながら。


「ファイトーーー!!!」



足を踏み出す。





そして、隣のクラスの人たちの声も聞こえて、来る。



「いくぞーーー!!!」


「行けんぞーーー!!」

などと大声を私たちを同学年の教室の中では、大声が響いていて。



「これから、文化祭1日目!始まります!!」
と言う文化祭委員長の人のアナウンスの声が鳴ったとともに。


バンっ!バンっ!!
鉄砲が上に向かって。

鉄砲の音が鳴っていた。