「ねえ〜やっぱり!メイド喫茶でしょ!!」

灯が手を上げて、興奮しながら言っている。


………私は何でもいいんだけど…!!

やるならやるって決めてますから!!



「えー!?私、お化け屋敷が良い〜!!…このクラスはイケメンがいっぱいいると思うから〜!」


「え〜!?私たこ焼き&焼きそば〜!!」


「私、劇〜!」


めちゃくちゃベタなのが、チョークで黒板に書かれて行く。


やはり、私は何でもいい。


だけど、このクラス。



褒美賞をもらいがために、やっているから、めちゃくちゃ熱いオーラがすごい。



※褒美賞とは。
褒美賞(ほうびしょう)。

高校部門・中学校部門で1つずつしか受賞されない賞で。

その褒美賞の褒美は全員が好きな芸能人と写真が撮れるらしい。


というか、ここの学校、学園は、超有名な芸能人を輩出していて。

だから、みんな競り合いの嵐ですよ。



そして、投票で決めることになって。
私は、メイド喫茶でいいやと思い、手を上げた。



決まったのが。





『メイド喫茶』


だった。




私はどうせ、裏方だけど……頑張「あの!秋風さんがメイドしたら、絶対売れるんじゃない?!」



「へっ!?…わ、私!?」
と言って、私の顔を自分の指で差す。


無理無理!!

私は首を振って、「いやだ」を表しているのに。


「……お願い!楓!!」


「へっ!?」


「褒美賞のため!!」



なんて、クラスのみんなに圧を押されたので、もう仕方なく、受け入れました。






そして、このクラス。

褒美賞のためなら、すぐに準備を始める人たちなので。

すぐに私のメイド服が完成した。



私は灯から「すぐに着替えろ!!」と興奮気味で言われたので、言われるがまま、着てみた。



着てみたら。


みんなシーン。と静まり返って。


「ど、どうしたの!?わ、私、ブサイクだった!?……じゃあっ!すぐに、灯に着てもらえれば!!」

と言いながら、みんなを見ると。


まだシーンと静まっていて。



「え……っと?」

私はクラスのみんなの顔を見渡すと。


やっと、クラスのみんなは言ってくれた。



「ねえ……これ行けんじゃない!?」


「というか、可愛い〜!秋風さん!」


「秋風って……あんな胸大っきかったけっな!?」


なんて、私のことを話してくれて。


一瞬、内心ホッとしたけど。



すぐに……私が褒めていることに私は気づいて。



灯に言った。

「ねえ……!!私、そんな可愛くないよ!!」

って。

だけど灯には通じてなくて。



「可愛い!!もう可愛い!!!」

灯は可愛いの言葉の連発が………私に真っ直ぐに言っていた。




そして、男子たちも執事になって。



男子たちも盛り上がっていた。



「……ねえ!!こうしない!?設定!!」

灯が歩きながら、教壇で止まって、申し出た。


「楓を守る専属執事とか!!!……で!ちゃんと、執事さんは、女性に対しては守ってくれる!!!」


えっ……!?


何、言っちゃってんの!?


私は口をポカンとも開けられずに、口を閉ざしながら、灯を見る。



だけど、クラスのみんなは。


「いいね!!それっ!!採用!!!」


「賛成!!!」


「賛成ーーー!!」



なんて、賛成の言葉が出てきて。

私は口から、「反対」の言葉も出ずに。

私や女の人のお客さんを守る専属執事カフェ、喫茶になっていた。



もう。何が何やら。


おじいちゃん。私はどうなるんでしょうかね?


空を見ながら、心の中で叫ぶと。

おじいちゃんが空にgood!というポーズをしながら、ニカっと歯を見せながら笑う姿が私の視界に想像されていた。




おじいちゃーーーん!!他人事じゃないんですよーーー!!!





なんて叫びながら、文化祭の準備は着々と進み。







文化祭当日の日がやって来てしまっていた。