一回、立ち止まったのか、魔王様は、大声で。


《お前……はぁ。はぁ。心配を掛けんなっ!!!!》



私の耳がキーンと鳴るぐらいの声を出して。



「……っ!!大きいですよ!!声が!!どうしたんですか?!」

私は、なんで、大声をかけたのか分からず、魔王様に質問する。



《楓……もうすぐ行くから待ってろ》



「……っ?」

私の胸が高鳴りする。
何故か、私は分からずに。

だけど、そう思っていたら。

電話は切れていて。


携帯を見て、すぐ分かって。




「何で……私じゃないのよ……。」



「?なんか、言いましたか?」



「……あんたは…私を忘れてるのね?」


「へっ?」


「まぁいいわ。これで今日は勘弁してあげる。……じゃあね。私のライバルにもならない楓さん。」

とニコッと笑って扉を開けて……最後は私を見る花奈さんの目は。

キッと睨み、私を見下しているかのような目だった。



……っ!?

私は目を開き、ゾッと、鳥肌が立つ。



バタンッ!

大きな扉が閉まり、私はニコニコと笑いながら、花奈さんを送った。



こ、怖すぎ……!!
と思いながら、その場にしゃがみこむ。


はぁ〜〜〜っ。びっくりした。


と深いため息を吐いた、すぐだった。


バンッ!
と大きな扉を開ける音がした。


……っ?!


「楓……!?…良かった。」


「!?……びっくりしたよ…!魔王様!」


「……っ。ごめん。……まず抱きしめさして。」


「へっ?!」

ギュッ。

私を抱きしめる、魔王様は……何故か、はぁ。はぁ。と電話と同じように荒い息だった。



「お前が……いなくなったら、どうなるかと思った……!」




「……っ!?」


「……何?意識したの?」


「違います……!!魔王様が来て…ほっとして……って……っ!?」


何、本心のことを声でぇ……!!

私は口を手で隠しながら、顔が真っ赤になってしまう。



「……あぁー。そんな可愛い顔で見つめるなんて……マジで、口塞ぎたい」


「……っ!?」


「………もっと。可愛い顔してよ。楓。」


「……っ!?」

私は無意識に下を向いてしまう。

もう。何これ。
なんで……高鳴りが止まないの……。


と思いながら、服を掴んでいたら。


「ん゛ん゛っ!義數様!!」


聞き慣れた声が、聞き覚えのある声が、魔王様の後ろに聞こえる。


「何やってんやぁ!!!ごらあぁあ!!」

と言いながら、どこから出して来たのかも分からない、紙のハリセンを魔王様の頭に………



バチンッ!!


ぶっ叩く。



「……怜さん!?」

私は怜さんを見て、口を開けて、驚愕してしまう。


「……大丈夫ですか?楓様?」


「いやいや、それより、魔王様の頭を心配してあげないと……!!」

私は、魔王様の頭をさすろうとしたら。


「大丈夫ですよ。楓様。」

クスッと笑っているが、その笑みは意地悪そうな微笑み方で。


「おいっ!?怜っ!?」

なんて、魔王様はニヤニヤしながら、待っていたみたいで。


「……安心しました…魔王様、怜さん!ありがとう!!」

ニコッと私は笑うと。


2人の顔は真っ赤になっていて。


トマト?を食べたのかな……??
って、トマトを食べて、そんな赤くならないか。


なんて思いながら、私は2人を見ていた。