「起きて。」
……ん?
だれ……?
なんて思いながら、朝日の光と共に、私は目がだんだんと開く。
だけど、眠気に勝てなくて。
また、目を瞑ってしまう。
「……んっ。」
私は布団で、朝日の光を遮る。
「じゃあ……これしかないか」
なんて、ぼやけて聞こえるのは……気のせい?…夢の中の声?
口の中に……何かが入って来る。
「んっ………」
この声は聞いたことが……ってはっ!?
私は目がパッチリと綺麗に大きく開くと。
私の視界が。
魔王様の顔、上半身裸の体で覆っていて。
「………ちょっんぅ…」
私の体が持たない。
もう息が……
と思ったが、魔王様はハッと我に返って。
「あっ。やべっ……昨日の夜だけって決めてたのに……」
「……えっ!?」
私は面白いことに聞こえてしまっていた。
「……聞こえてたら、口、塞ぐからなっ?」
「……っ!!」
もういい!!演技の練習だからって、許した、私が馬鹿だったあああ!!
なんて心の中で思う本心が漏れ出てしまう。
「……というか、お前、大丈夫か?学校?」
「……あっ!大丈夫……って、何時ですか?!」
「ちょうど7時45分」
「分かりました!」
私は、魔王様の上半身が裸なんて目にも入っておらず。
私もタオルを巻いていたなんて知らず。
そして、ここが魔王様の部屋だとも知らず。
部屋の扉を開けて、自分の部屋に向かった。
制服着て……ってあれ?
なんで私、タオル巻いてんの?
今、気づいた、秋風楓でした。
こちら、現場では以上でーす!