「……って!!これ、私がやるんですか?!」
「なんだよ?顔、赤くして」
「……えっ。だって…国民的人気俳優が、一般人の私に……キスして良いんですか!?」
私は目を大きく開きながら、魔王様を見ながら、聞くと。
魔王様は。
「良い。」
と二言だけ、私にキスをしていいと許可を出して。
……っ!!?
「……嫌です!!!」って言ったら………
って、私、馬鹿!!
……もう、お仕置きのルール破ってるじゃん!
“お仕置きは自分で拒否出来ない。ということは、王政義數の了承を得なきゃ、お仕置きはナシに出来ない。”
でも…『ルールは破るためにある!』とか……どっかで……聞いたことがあるような?
……キスって、久しぶりに……。
『好きだよ?…俺』
『…えっ!?』
なんて、言われて、ファーストキス、元カレに奪われた………って、やばい。やばい。
昔のことなんて、思い出さなくて、いいの!!
私は首を横に振っていると、魔王様が気にかけて。
私に言ってきた。
だから、私は魔王様の言うこと、遮った。
「お前、やりた……「やりたいですよ!!お仕置きなんですから!!…延期になったら、困りますし!!」
だって、そこに集中してれば……忘れられるかな?って。
馬鹿。私。
「もう。お仕置きやってください。」
私は下を向きながら、そう言うと。
「はぁっ〜〜〜。楓、無理しないで良いから」
また出た。……甘々魔王様。
ため息が出ながら、甘々魔王様が出るなんて。
私は、今分かった。
魔王様が「楓」と言うと甘々魔王様で。
魔王様が「馬鹿子犬」と言うと俺様魔王様になることが分かった。
遅い気づきかもしれないが、私にとってはいい武器になるのかもしれなかったのは気のせい?
ではなく!!!
「……いいから。大丈夫だよ?魔王様!」
私は下から上へ顔を向けて、魔王様に私の笑顔で安心させようと思う。
だけど。
「無理」
その言葉で、私の心の中は何かが込み上げて来る。……そして、私の頬に伝う水。
「お前、泣いてる」
と魔王様は言いながら、私の頬を拭いてくれて。
「……だけど、俺、もう我慢出来ない」
「んんっ……!!」
もう。どうにもなっちゃえ。
「……ひゃあっんっ…!!」
「いい声……このままソファいこっか?」
私はもう何が何だか分かんなくて。
この声は私の体は弱くなってしまう。
「……違くな……んんっ!?」
私は、魔王様に言おうとしたとき、すぐに口を塞がれる。
「何?…言いたいことがあるならさっさと言って。」
一瞬のキスは終わって、やっと口が長く開ける。
「セリフと違うシーンじゃないですかっ!?」
「……ん?あったけど?」
「違う!!違う!!なかった…!!」
記憶力はある方だもん………っ!!
私は涙目で魔王様を見る。
「……あるって言ってんだけどなぁ?馬鹿子犬?」
もう無理です。
なんて、私の心の中からの叫びは私の脳に響かず、もう、ソファに着いていた。
私は魔王様に身を任せてしまい、理性がもう無くなっていた。
「……やぁ…!」
「もっと。」
「………っ!!」
「聞かせて。」



