「これ。覚えておけ。」
と言われ、魔王様がかばんの中から出した台本を開くと。
私がやる相手役のところに蛍光ペンで線を引いていて。
設定が、女の子(ヒロイン)と男の子は幼馴染関係。だけど……女の子が失恋していたけど、男の子が甘えてくる。
そして……!
キスまで、しちゃって!?
のところまで、と魔王様から助言をいただいた。私はここをやればいいと思った。
そして、この台本、というか、ドラマの設定。
私と…魔王様……に、どことなく似てないか?
……と思ったけど、そんなこと気にしてる暇ではなくて。
私はなんとか必死に覚えようと目が台本に集中していた。
そのシーン・セリフがこちら。
『好きな……の』
女の子が小さい声で言って。
『ん?何?聞こえない……もっと、俺の耳で聞かせて。』
と言って、男の子が女の子の腕を引っ張って。
女の子がチャンスと思って、その引っ張った反動で、キスをして、男の子が…舌を混ぜてくる。
というのが……私と魔王様がやるシーンらしい。