おじいちゃんが亡くなったと聞いた人々が、次々、おじいちゃんの病室へと人がやって来た。


私は見たことない、知らない人ばっかりだった。



私は病室の外にある、椅子に座り、手紙の内容を見た。



『楓へ
亡くなってしまったよぉ……!じいちゃん。
でも、わしは楓をずっと見守っとる。
ずっと。ずーーーっとじゃ。』


なんか、おじいちゃんがいるみたい……!

私は、グスッと鼻を啜りながら、おじいちゃんの手紙を黙読する。


『楓。お見合い相手と言ったが、写真が封筒の中に入ってある。見たら。次の文を読め…』



写真?
と思い、手紙の封筒の中を見ると。

お見合い相手の写真が見つかった。
ニコッと優しそうな笑顔で、カメラ目線な写真。……そして。イケメン。


よし。見た。

言っておくが、私は、イケメンには……何も動じない。

「かっこいい!!!」とか。
「拝みたいでずぅ〜〜〜!!」とかは、ない。


まぁそれはいいとして、次を読もう。


『…読んだな?……この人は、御曹司と言われた人である。…そして、お見合い相手だ。』



はっ!?


ちょっと待ってよ!!!

『この人はいいと言ってくれた。あと、葬式もその御曹司さんに任せてある。婚姻届の意味は分かっておるか?』


わかりますとも!!
コクっと頷く私。


『分かったんだな?さすが、わしの娘じゃ!!わしが契約をしていた会社は、大丈夫じゃ!!心配はかけない!!

……葬式の場所は、ここじゃ。

もし、おじいちゃんに会いたいと思ったら、下のQRコードで読んでくれ!

最後に言う!!

死んでも!!おじいちゃんは楓のことが世界一!!いや、宇宙一!!大好きじゃぞ!!!

おじいちゃんより。』




「おじいちゃん……かなり万能だったんだ。」
と私は言いながら、クスッと笑い、鼻をずるずると吸う。


ではなく!!!

どういうこと!!?

なんて、私が驚いていたとき、私の知らない人たちは。



「正志様と契約を結んでいたんだが!!」

「どうすればいいの!!!?」

と私に迫って来た。


「私、愛人なの!!!……その遺言書に書いてないの!?」

「正志様が死んじゃいましたわ…!!!」

なんて、おじいちゃんの病室お騒ぎ。

愛人がなんだの。
契約を結んだのなんだの。

混乱してるから、おじいちゃんの手紙に頼るしかない!!


「あの……!おじいちゃんが言ってました!!契約書に書いてあるって!!」
私は大声でその場を静める。



私たちは、QRコードを読むと。

おじいちゃんの動画2つあって。
1つは仕事仲間へ。
もう1つは、私だった。


契約書を私に言って来た人も。
愛人と言って来た人も。



その動画の意味が分かったのか、すぐに立ち止まっていて。


何が何だか、分からないし。







そのあとは、何が何やら、覚えていない。