……っ!!


私は思い出した途端に、顔を赤くして。
自分の体が体温が平常温度だったのが、高い温度になる。


一回冷静になって……!私!!

ふ〜っと、大きい一息を吐いて。

ナイフとフォークを置いて。




「……感想はいらないんじゃないでしょうか?」


私は顔を赤くしながら、小声でボソッと呟く。



「ん?何?聞こえない。俺の耳で」



「……大声で言います!!」


また顔を赤くしているだろうと私は思ってしまう。


「……感想はいらないかと!!!」

私が、意見を述べると。


「……んー。無理。俺が聞きたいから」


すぐ、感想が聞きたい張本人の拒否の声が返って来た。


「……へっ?」


私は、混乱してしまい、変な声が出る。

「顔を赤くした、楓が可愛すぎるから、もっと、可愛い楓を見たいから」


「意地悪……!」


「意地悪でどうも。……というか、俺さ、TVでも言ったんだけど?…馬鹿子犬」


すぐ変わった。…最後の言葉で。
超甘々の声から俺様魔王の声へ。



「えっ……?あの楓の木が真っ赤になっていた?」


「えっ?…気づかない?」


「気づきませんよ?……アプリの中でトレンド入りしてましたけど?」


「…んなのはどうでも良い。早く聞かせろ。……お前の感想」




「ってことは…あの、キスが食べたい……も?」


「そうだけど?……早く聞かせて?…か・ん・そ・う」
さっきと違う声で、平常心に言うけど、少しだけ、苦笑する魔王様。



「………むり…」

「ん?何?」


「……無理です…!」


「聞こえない」


「意地悪ぅー……!」


と私が言い終わった、その時だった。

魔王様の声が俺様から、超甘々な声にすぐひっくり返った。



「俺さ、もっと意地悪したくなった」




この言葉で。


頬杖を食卓の上で立て。
にやあと笑う魔王様。


「いいですっ!!」


「へーっ。いいんだ?」

また、にやあと笑う魔王様。


「えっ?あっ、あの!!!OKの意味じゃないですっ!!」


「えっ?違うの?」


って、言うけど……本当は分かってるでしょ?

私は少しだけ、魔王様の顔を見ると、やはり、ニヤニヤと笑っていて。




「魔王様は……「魔王様、魔王様って、俺、魔王じゃねえんだけど?」


「っ……ごめんなさい。」


「っ……。俺も……怒って…」


なんて、甘々な空気が気まずい空気へと早変わり。


「コホンッ。……義數様。楓様。夜ご飯を……早く食べんとなぁーーー!!!!!怒んぞ?あ゛ぁ゛?」


と言いながら、大声を出している、怜さんの顔は……!





能面の鬼、鬼神の顔だった。





もうそれを見た途端に、私と魔王様は、


「はぃいいいいい!!」

と言いながら、背筋をピシっと正し、すぐに、フォークとナイフを持ち、残りの夜ご飯を食べた。