ガチャッ。

私の住んでいる家で、大きな扉が開く音がする。



?……魔王様は、確か、19時って言っていた気が?

そう。今はまだ、17時30分。

………17時半と19時の差が違いすぎて、魔王様ではないと私は思ったのだ。



「ただいま」



「……あれ?魔王様、お帰りなさいませ」

私はそう言って、お辞儀をしながら、心の中で不思議と疑問感を抱く。



「あぁ。ドラマ撮影が明日に延期になったから、早く帰って来た。」


「あぁ〜!そういうことでございましたか」

私は頭の中がスッキリとした気分になる。




「……というか、お前、なんで、敬語なんだよ?」


……あっ。つい、なってしまった。


私はポカンと開ける口を手でまた抑える。



「そして、お金大男から、魔王様にレベルアップしてるじゃねえか」


「……えーと。ですね?」


「なんでだ?」

私の前に近寄る、魔王様。


「えーと……ですね?」


「何回、『えーと。ですね?』を言うんだよ。」

やばい。今の魔王様は甘々ではく、俺様になっているから、圧が物凄い……!!

と思いながら、私の頭の中で、ニックネームが、魔王様になった経緯を思い出していた。