「………」

私は口をポカンと大きく開けながら、言葉も出ない状況。


……嘘っ。


おじいちゃん?
もしかして………知ってた?

私は上を見てそう心の中でおじいちゃん(天)に語りかける。


このお金大男は、お金持ちだよ?

お金持ちって言うより、超超超超超お金持ちだよ?




「……お前、留守番よろしくな。」



私の肩を叩いて、言う、お金大男。

お金大男は私の肩を叩いてくれたので、我に返った。


「えっ……あぁ!行ってらっしゃい。
お金大「義數」


「へっ?」


「呼んで。義數って」


「はぁっ?年上のことを呼び捨てしないでしょ!!礼儀として!!」



「呼べ。楓」


「だから……こういうときに言うのは……



「呼べ…楓」



……ぅ。



「わ、分かったよ……。」
と私は小声で言ったとき、お金大男は、目を一瞬開いて。



私はそのことに気づけないまま、こう言う。




「よ……し……「あぁ〜っ。ちょっと待って。怜出てろ」



怜さんの顔を見る、お金大男の顔は、すごく怖くて、怒っていた。


だけど、私は見えなくて。

こういうとき、私の背が小さいと感じる。
すごくお金大男の背は高くて、顔が見えない。


「……っ!はっ。」
と言いながら、扉を開けて、素早く、外に出て行く怜さん。



「よし。邪魔者はいなくなったしな」


あれっ?

あの俺様の顔が………




変わってる?



私が心の中で思ったことは確か。



「じゃあ……呼んで?楓」




「馬鹿」


「あ?何?」

「……っ!」

ちょっと、怖いよぉー……!


「よ、しかず……行ってらっしゃい。」



「……あぁー…っ。行けなくなった」
と言いながら、私を抱きしめてしまう。



「……っ!!ちょっと!!!」


「何?意識した?」


「してないです!!!」

私の視界は下を見ながら、大声を出す。


「ふーん。そっか。……じゃあ行って来る。」


そう言って、お金大男は行くかと思って、油断していたら。






チュッ。





私の頬に口の触りが感じられる。




「えっ!?あのっ!?」


「何?……もう行かないとだから。感想は夜に聞かせて」


「へっ……?」


「可愛い。仕事頑張って来るから……じゃあな。」


最後だけ、俺様な部分を出したけど。
その前の声は優しすぎて。


1日経っただけなのに。


……なんで?

さっきの俺様はどこ行ったの?


怖いよ。少しだけ。


私は玄関を見ながら、思う。
お金大男も出て行って。



バタンッ!


大きな扉を閉める、外を出るお金大男の音は。



もう聞こえなくて。

頭の中も、耳も。
脳も。

お金大男の声と顔しか浮かんでいなかった。