「執事さん、私、風邪かもしれません。」


さっき、「ヘックシュンっ!」って、鼻水出ちゃったし。



「……俺に執事さんと言うな。俺にもあるんだよ。名前が」

皿を広い机に置きながら、私を下に見ながら、言う執事さん。



あ。執事さんって言っちゃった。



「はい……!…というか、そんなに、怒らなくとも……。」

と言いながら、私は執事さんの顔を伺う。


「あ゛ぁ゛?……っと失礼致しました。楓様。……私(わたくし)の名前は、帝谷怜(ていやれい)でございます。」

そう言いながら、さっきの怖いオーラとは真逆に執事のオーラとなっていた。



この執事さんは……スパイ?なのかな?


なんて、執事さんの顔を見ながら、考えていた。

って。

執事さんって言っちゃ、ダメなんだから。



「わ、私はなんて言えば良いんですか?」



名前を聞かなきゃ。



「怜で……「お前、早く、朝ごはんやれ」

途中で、私たちの話を声で遮って、入って来た、お金大男。

「ちょっ……お金大男は……!!」


「あ゛?お前、また、馬鹿子犬って呼ばれて欲しいか?この馬鹿子犬」


「言った!!言ったよね!!欲しいとも言ってないのに!!言った!!あれっぇ〜?」

私はニヤニヤ笑いながら、お金大男を見る。



「……っ。何やってんだ。俺」


「えっ?……あっ。えっ?」

私はお金大男の顔を初めて見た顔だったので、混乱してしまう。





「……楓様。義數様。朝ごはんの準備が出来ましたので…パンを配りますが、よろしいですか?」




執事さ……ではなく。

怜さんが大きいお皿にパンを乗せてくれる。


そして、そのパンがすごく美味しそうで。


朝から、私の口から涎が垂れそうな勢い。


「もう、食べても良いですか!?」

私は興奮しながら、怜さんの方を見る。


「ダメだ」


また出た。


お金大男と同じの俺様ーー!!


はぁ〜〜〜〜。
これから、クセ強めの俺様、大男、魔王の2人に付き合わされて行くなんて………!



「えぇ〜〜っ!」
私は「ケチっ!」って言いながら、拗ねてしまう。


「……お前が大好きなハムが来るって言うのに……食べちゃうのか?」



「……っ!!ハムだと!!!?」

私は「食べちゃおう!」と思いながら、パンを手で持とうとしたら………



『ハム』!!



と言う言葉が出て来た!!


私はハムの中でも好きなのが、生ハム!!


「もしかして……生ハム!?」

私はまた、執事さんの方を見る。


「はい。そうでございます。」

少しだけ、ぺこっと頭を下げながら、怜さんは笑う。



「ありがとう!!!れ「感謝なら、義數様に」


「……えぇ〜〜っ!?」



「だって、義數様が輸入されたのですから。」


「……ありがとう。義數様。」

ムスッとしながら、私は義數様にペコっと頭を下げる。


「ん」

そう言いながら、少しだけ、笑う、お金大男。


生ハムも配られて、やっと、朝ごはんが食べれる。


「はむっ!」


美味ぁ〜〜っ!!
私はそう思いながら、頬に手を付ける。



パンも美味しすぎるし!
生ハムも!!


はぁ〜〜〜〜っ。

人生で一番美味しぃっ〜〜〜!!

と思いながら、顔をいくつかに変える私。
だけど、気づかないけど。

怜さんと、お金大男は目を開いていて。


私が、そのことに気づくのは………何分後か、何秒後。


私は頬に手をくっ付けていたら。



あっ……っと?


2人が目を見開いていることに気づき、

「なんで、2人は、目を開いてるんですか?」

私は首を傾げながら、2人を見る。

そして、私は目を開いていることに気づいた。


「……いや、可愛かっただけだから」


「へっ?私、可愛い?お金大男は見る女、間違ってますよ?……お葬式にいた……ビンタした…女の……」

と私は言いながら、最後は気まずくなりながらも言う。



「……あぁ。あいつは俺のストーカーだから」




「へー……ストーカー………って!ストーカー!?大丈夫ですか!!?警察に……「大丈夫だから。お前は心配しなくていい」

私の頭にポスンっと、お金大男の手が落とされる。




「……っ!」



私は目を見開いて、お金大男を真っ直ぐに、直線上に見てしまう。



……イケメンには揺るがない!って決めたから。


……『お前と付き合えば、俺、ポイント稼げると思ったのになぁ〜?』


あっ。やばい。
昔のこと、思い出した。



目を瞑ると、もっと広がるから………




やめよう。


なんか……話題を……「おい…楓」


誰か、私の名前…?

私はそう思いながら、上を向くと、お金大男が切なそうな、悲しそうな顔をしていて。


「ん?……なんで、私の名前?…「知ってるから。正志ジジィに聞いてたから」


「あぁ〜!そういうこと。」
私はそう言いながら、片方の拳で片方の手を落とす。


「ここで、義數様の今日の1日を伝えたんですが……よろしいでしょうか?」

そう言いながら、次に「ん゛ん゛っ。」と言いながら、喉を締める、怜さん。



怜さんは、手帳をポケットから出して、お金大男の今日の1日を伝える。


「今日の1日は、10時からバラエティ収録。11時から19時まで、ドラマ撮影です。昼休憩も挟みますのでご安心を」

と説明して、お金大男を見る、怜さん。


「今日は、TV関連だけだな。……分かった。ありがとうな。」
と言って、朝ごはんの残りを食べてる、お金大男。


…………ん?



えっ!?



「ドラマっ!?」
私は無意識に大声を出してしまう。


「……?お前、俺を知らないのか?」


「えっ?」


「俺は……自分で言うのもなんだが、俺は、国民的俳優、王政義數。と世界的大企業《MeNOE–エムノエ–》の代表取締役としてやっている。」


へっ?

説明を受けても……なんのこっちゃ???

分かりません。

分かりません。



分かりませーーーん!


私は、「分かりません!」とお金大男に言うと、説明をしてくれた。