咲き誇れ、麗しい華。

保冷剤を当てられた首を擦って、今日イチの声量でユウキ先輩に怒った怜央先輩。


知り合って間もない私を気遣ってくれたのかな?
でも、そこまで怖い顔しなくても……。


コソコソと内緒話をし始めた彼らを眺めていたら、くるりと怜央先輩がこっちに振り向いた。



「ごめんね、話の途中で。真子ちゃんとはご近所さんでさ。小さい頃、お兄さんの代わりによく遊んでたんだ」

「そうだったんですか〜」



まさか知り合いだったとは。


実は真子も、私と同じく兄持ち。

だけど、お兄さんの習い事が忙しく、あまり兄妹で遊んだことがないと言っていた。


私のお兄ちゃんも、小学生の頃はサッカー、中学生からは塾に通ってたから、1人で過ごす時間が多かったんだよね。


休日は朝早く出発して夕方に帰宅する生活。平日も夜まで塾にこもりっきり。

今年は受験生だから特に忙しいみたいで、夏休みの時期は10時過ぎに帰ってきてたっけ。


私は当時のクラスメイトと遊んでたけど、真子は怜央先輩に遊んでもらってたんだ。