咲き誇れ、麗しい華。

振りつけを体に叩き込みながら、隣で飛び交う和やかな声にこそっと聞き耳を立てる。


ダイナミックな動きが多い黄色組に対して、青組は素早く細かい動きが多いらしい。

文字を作るところは、多分最後のシーンだよね。見てて速いなぁって思ってたけど、やっぱ本人たちも難しいんだ。


もしグループが違ってたら、指導も少しは変わってたのかなぁ……。



「──一通り全部確認したし、ちょっと休憩しようか」

「はいっ」



マンツーマンで教わりながら練習すること1時間。

ベンチに座り、タオルで汗を拭った後、水筒のお茶でのどを潤す。



「ありがとうございます。お忙しい中、時間を作ってくださって」

「いーえいーえ。こちらこそ、麗華ちゃんがいなかったら1人で練習するところだったし。俺のほうがありがとうだよ」



深々と頭を下げた私に、怜央先輩はニカッと目を細めて笑ってくれた。


ヤンチャそうな見た目でお調子者な雰囲気をまとっているけれど、そこは応援団。時々冗談を交えつつも、親身になって練習に付き合ってくれた。

必ずしも、外見と中身が一致するとは限らないんだなぁ。