咲き誇れ、麗しい華。

そう答えたら、今度は2人の目がまん丸に。



「えっ、知り合い?」

「会ったことあるの? どこで?」

「保健室。腹痛でうなされてたから、湯たんぽ貸してあげてさ。今日も少し調子悪そうだったから、ゆっくり休めるようにと思って」



小部屋に入れた経緯を簡潔に説明した。


彼女と顔を合わせて話したのは今日で2回目。

だけど……見かけたのは、実は3回目。


一体どこで見かけたのかというと──。



『真子だって、なりすましされたら嫌でしょう!?』

『ひ、ひどい……っ! 真子のバカっ!』



保健室の目の前にある、1階の渡り廊下。

職員用トイレを後にしたタイミングで言い争っている声が聞こえてきて。保健室の窓からこっそり覗いていたのだ。



「へぇ〜、優しいじゃん。何話してたの?」

「別に……世間話と、先生の裏話をちょっと」

「裏話!? 田中っちに孫が生まれた話とか、守田先生が婚約したとか、教頭先生がカツラ集めてる話とかか!?」

「まぁ、うん。そんなとこ」

「ちょっと待って、初めて聞く話ばかりなんだけど。教頭先生、カツラ着けてるの?」

「うん。専門店から出ていくところを部活の先輩が見たらしくてさ。聞いてみたら、今年から着け始めたって言ってて……」