咲き誇れ、麗しい華。

いつからあだ名が付いたのかはわからないけど……きっかけは多分真子だろうな。

小学生の頃もしょっちゅういじってきてたし、それでみんなが便乗したんだと思う。


怒りに任せて牛乳を一気にのどに流し込んだ。







給食の時間が終わり、昼休みの時間に。

お腹が満たされた私は、スクールバッグから本を取り出した。


今日返さないといけないのに、まだ半分しか読めてない。急いで読まなきゃ。



「おおっ、チビ咲が本読んでるぞ」

「何読んでんのー? 漫画? 小説?」

「もう、うるさいなぁ。邪魔しないでよっ!」



栞を挟んだページをめくっていると、まるで面白いものを見つけたかのように男子たちがわらわらと集まってきた。

こうやって毎回反応しちゃうから、犬扱いされちゃうんだろうな。


シッシッと手で追い払い、縦に書かれた文章を目で追うけれど……。



「っ……」