咲き誇れ、麗しい華。

そっとカーテンを開けると……リュックサックを背負った保健室の王子様が立っていた。



「だ、大丈夫!? どこか怪我したの!?」



私の顔を見た途端、駆け寄ってきた彼。


どこも怪我していません。ただ猛烈に心が痛いだけです。

とは言えず……黙って首を横に振る。


まさか朝から、しかもこんな泣き腫らした顔で再会しちゃうなんて。それにまたお世話になっちゃってるし……。



「1年生、だよね? 先生には言ってきた?」

「っ、いえ……っ」



ティッシュを受け取り、涙を拭きながら答える。


職員室に寄らず真っ先にここに来たので、当然担任の先生は何も知らない。

クラスメイトは事情を知ってるから、急に体調を崩したとか言って、上手く対応してくれたことを願う。



「そっか……。心配するといけないだろうし、一応伝えておくよ。何組?」

「さっ、3組です……」

「1の3……は、英山先生と和尾先生のクラスか。わかった。伝えてくるから、ちょっと待ってて」