咲き誇れ、麗しい華。

「待って! ちゃんと話そう? なんで返事くれなかったの? 体調が悪かったから?」



腕を掴んで引き止める。

ねぇ、なんでこっちを見てくれないの? 何が不満なの?



「何か言ってよ……」

「…………」



涙声で話しかけるも、黙り込んだまま。


お願い。また昔みたいに笑い合いたい。

歩み寄ろうとしているのに、どうして一方的に遮断するの……?


教室の真ん中で注目の的になる私たち。

登校してきたクラスメイトも、一体何事だとざわついている。



「おはよー! って、あれ? みんなどした?」

「なんか暗くね? 外曇ってるからか?」



顔を上げると、男子たちが教室に入ってきた。

空気を読もうとしない彼らに、周りのクラスメイトが動揺し始める。


すると、同じ班の男子と目が合った。



「あれあれ? チビ咲、なんで泣いてんの?」

「もしかして喧嘩?」

「バカ、茶化すなっ」