咲き誇れ、麗しい華。

目の前に座っている制服姿の兄に引きつった笑みを浮かべた。

その隣では、お父さんが新聞を読みながらチラチラと私を見ている。


何も聞いてこないけど、内心心配してるだろうな。

今まで寝不足になったことも、クマを作ったこともなかったから。


まだ傷は癒えていないけど……なるべく早いうちに話し合ったほうがいいよね。長引くと家族に気を遣わせちゃうし。


静かに朝食を平らげ、逃げるように退室。

素早く準備を済ませて、トボトボと1人寂しく通学路を歩く。



「……あ」



すると、横断歩道で真子にバッタリ会った。



「……」

「……」



顔を見た瞬間、お互いに目を逸らしたため、気まずい空気が流れる。


登校早々鉢合わせるなんて。

謝らなきゃなとは思っていたけれど、急すぎてまだ心の準備が……。


グスグスしていたら信号が青に。
挨拶もできず、真子は先に行ってしまった。