咲き誇れ、麗しい華。

重い体を起こして階段を下りる。


これまで喧嘩は、数えきれないほどしてきた。


勝手に消しゴムの角を使われて怒ったり、お店の中で『私が先に見つけたの!』って揉めたり。

でも、原因のほとんどがしょうもないことだったから、翌日にはケロッと仲直りしてた。

長引いてた時もあったけど、3日くらいで落ち着いていた気がする。



「おはよう」

「おはよう。……それ、どうしたの?」

「……ちょっと、寝不足で」



リビングに入って早々、母に目の下のクマを突っ込まれた。


さっき洗面所で見たら、うっすらできていた。

それもそうだ。あんな大喧嘩したんだもん。ぐーすか眠れるわけがないよ。



「寝不足!? ダメよ、ちゃんと寝ないと。毎日暑い中練習してるのに疲れ取れないでしょう。野菜スープ作ったから、飲んで元気出しなさい」

「……ん」



短く返事をして、ダイニングテーブルに着席した。



「おはよう。俺とお揃いだな」

「あはは……」